今どきのデモではなんにもかわりません。

先日の日曜日めずらしくテレビを見ていた。「映像の世紀」第9集 ベトナムの衝撃~アメリカ社会が揺らぎ始めた~再放送である。私の小さいころは戦争というとベトナム戦争である。テレビによって初めて伝えられる戦争は、アメリカ全土に反戦デモというかたちで、若者の中に広がっていく。政府対学生、黒人対白人、学生対労働者など激しい衝突で流血事件が相次ぐ様子がよくわかった。

▼今は経済大国となった中国は天安門事件を1989年に起こしている。学生を中心とした一般市民が、民主化要求運動でデモをし、それを政府は軍隊で徹底弾圧した。「戦車対人」の映像はたしかBSで生中継で見た記憶がある。よほど民主化が恐ろしいとみて、中国政府はインターネット検索でも関連キーワードを入れると接続不能になる。「天安門」はもちろん「六月四日」「六四」も検索結果は表示されない。

▼ デモには社会への不満が充満している。圧倒的な人数と若者のエネルギーが社会を変えようと、政府に徹底抗戦でいどむ。暴力を警察権力でむりやり抑え込み、軍隊を動員して弾圧する。流血があたりまえで、話し合いの妥協など一切ないように見える。世界は戦争という殺人暴力が秩序を変えてきた。

▼ シールズなる学生団体が「国会前でデモをした」とマスコミが持ち上げている。リズムに合わせたヘイトスピーチにしか聞こえないコールが、多くの指示をえられているとはとても思えないし、法案が変わるわけがない。はっきり言えば「おゆうぎ会」だ。大学4年の息子と比較すればそれはそれはりっぱだが、国会の公聴参考人として意見を言ってる時点で、運動は終了している。

kokkai