初詣
今年の初詣は明治神宮であった。さい銭箱に千円札いちまいを入れ、二礼二拍手一礼。同行の同級生もとなりで手を合わせている。なにをお願いしているのか知る由もない。私はほんのわずかな所作でおえるが、あふれるほどであろう祈りを、時間をかけてお願いしていた。
参拝では「家族と知人の健康・安寧」をお願いするのみで、すぐに終わってしまう。自分の未来は自分でそうすればいいのだから、お願いするもなにもない。他人と過去は変えられないのだから、それは神仏にお願いするしかないのだ。
彼女によると、今年は参拝客が戻ってきたらしく、成人式まで多くのひとで賑わっていたようだ。あまり時間がかかりすぎ、途中であきらめてかえったひともいるくらいだとか。こんなにおおくのひとの願いを聞くのだらか、明治天皇もひと苦労だろう。
懇意にしていただいている、ある経営者によると、初詣祈願のポイントは神様に名前を覚えてもらうことだという。神主にアポイントをとっておき、賽銭は十万円の小切手で手渡しするそうだ。たしかにネーム入りで、神様もほほえみ返ししてくれそうな気がする。