追悼小林誠君
小林誠君に会えた。7月末と8月の長岡花火当日に、高校時代の同級生8名で冥福を祈り、彼の墓前で手を合わせることができた。ひとりがお経をよんでくれる中、夏セミのうるさいまでの甲高い声が、なぜか通奏低音に聞こえた。
▼帰りの車中、日帰りできてくれた女子が、小林君の思い出を話してくれた。「こうすると黒板がよくみえるんだ」と、めがねの上から手のひらで片目をふさぎながら言っていたそうだ。他のことは覚えていないが、それだけは忘れられないとのこと。
▼どうやら難病であったらしい。高校卒業後、いづれ将来必ず失明するとわかったらしい。今見ているもの一切が日常でなくなってしまうという。日々どういう気持ちで過ごしていたのだろうか。還暦を過ぎたばかりの我々が、若くして病気が進行する恐怖感など想像すらできない。
▼白内障の手術を受けた知人がいる。ブルーベリーが目にいいというので、お見舞いのつもりでジュースを仕込んでおいた。長岡まつり当日墓前に捧げ、同行者と三人で献杯した。享年32歳。小林誠くん、どうかやすらかにお眠りください。