粗大ごみ

いろいろな手続きで業種を記入することがある。先日も保険手続きで「情報・通信」と記入した。いままでも何気なく使ってきた言葉だ。インターネットに関わることが多い仕事をして「通信」環境は飛躍的に発展し、便利になったと実感しているが、「情報」が役にたっているとはこれっぽっちも思っていない。

▼買い物をする。書式をダウンロードし、エントリー書類を作る。請求書を送信する。作業報告をする。出張のホテルを予約する。全て通信環境が改善され、使い勝手が飛躍的に良くなっているからできることである。情報それ自体がなにか特別なものに変わった訳では決してない。

▼経験から、アルバイト情報誌は発売された直後に買い入れても、時給などで条件の良いものは絶対にできなかった。誌面が店頭に並んだ時点ですでに決定しているということは常識だった。発送前に配達運転手に譲ってもらうのか、それともゲラ段階で買ってしまうのか、いずれにせよ必死な者は本当にやりたければそれくらいはやるだろう。

▼故米長邦雄氏がいみじくも言っていた。「情報は21世紀最大の粗大ごみだ」と。インターネットには膨大な情報があふれているように見えるが、生きた情報とはとても言えない。ネット上に周知となった時点で、価値は急降下で変質してしまう。インターネットで「いいことないかなあ」と探している人は、発売後のアルバイト情報誌で必死に仕事探しをしている人と同じなのだ。