長岡赤十字病院

休日の晴れた日はジョギングをすることにしている。昨日の秋晴れは、いつになく気持ちよく走れた。長生橋西詰から大手大橋を過ぎ、長岡大橋へ向かう。それを渡り切りぐるっと一周。6.8㎞のコースである。一週間の鈍った体をリフレッシュというよりも、どちらかというとリセットといった方が合っている。そんなコース途中、西側土手にひときわ目立つ建物、長岡赤十字病院がある。

▼今月23日は中越地震から10年節目の年である。当日は自宅のおんぼろ車庫2階に居た。屋根が落ちるか床が抜けるかどちらかだと思った。停電となり真っ暗闇の中自宅に入ってみると、幸い家族は無事だった。しかし、台所の食器は散乱し、仏壇が前のめりに倒れている。家の中は壊滅状態だった。

▼停電・断水・ガスは止まったままだ。トイレも使えない。携帯もつながらない。メールを打っておくと電波の合間に通じることがあり、やっとのことで離れた家族の確認もとることができた。翌日から仕事はストップし、取引先との連絡に追われる毎日となった。

▼その年の11月終わり頃から、寝ていると背中に痛みを感じるようになる。車を運転していてもうめき声をあげるようになってきた。たまらず赤十字病院へ。「少し休養をとって安静にしているように」くらいかなと高をくくっていたのだが…。病名は肺の下に水が溜まる「胸膜炎」。原因は「ストレス」ということだった。2週間の入院生活と1月以上の療養生活を余儀なくされた。建物もさることながら、地震で一番ダメージを受けたのは自分自身の体だった。