勇気ある撤退
紅葉の季節となり、登山もそろそろシーズンオフに入ろうとしています。 10月に入ってからは自分の予定と、天気のめぐり合わせが良くなく、まだ紅葉狩りはお預けとなっています。 昨日も谷川岳に登ろうと意気込んでいたのですが、週の初めには良かった天気予報が前日夕方になると「いつ雨になってもおかしくない」に変更になっているではありませんか。平地の予報ですから、2000メートルの山頂はどうなっているかわかりません。うずく体を無理やり押さえつけ、泣く泣く断念となりました。
話は飛びますが、私が卒業した高校は有名人でレアな方をお招きし、毎年講演会を開催していました。 たしか2年生のときに講演していただいた方が、冒険家の植村直己さんでした。 植村さんは講演で「厳冬の中股間に手を入れ、凍傷を防いでいた」などと語り、いかに体温を保ち身を守るかが大事だということを話していました。
雨が降るかもしれない程度なら登ってきたら?と思われる方は多いかもしれませんが、雪国に住んでいると、寒さとか雪とかが「死」に直結していることが身に染みてわかります。真冬の夜に外にいることはできませんし、まして濡れた体で過ごすことはできません。ですから、できれば気持ちよく快晴の中で登りたいものです。「 登りたいとき登れない」とう残念な気持ちを癒したいときはいつも自分に言い聞かせています。
「山は逃げない」
画像:巻機山
(植村直己さんは日本人として初めてエベレストに登頂された方です。残念ながら、アラスカ・マッキンリーを登頂後行方不明となり遭難死したものとなっています。)