はじめての海外旅行

1990年12月。ちょうど30年前、はじめての海外旅行は、興味津々、自由闊達でなんでもありの香港であった。

25日が過ぎても、クリスマスのネオンが光々と街をてらしている。車はほとんどすべてと言っていいほど、日本車である。戸建て住宅というものがなく、庶民暮らしはマンション住まいであった。ビルは密集し、建築中の超高層ビルの足場が、なんと竹で組まれていた。

北京ダックをはじめて食べた。キリンカンビールが80円ほどで、オレンジジュースより安くてびっくりだった。朝食にウーロン茶がだされ「地元の人は飲まないし、飲むのは日本人だけ」と地元ガイドに教わった。きらびやかな夜景をながめながら、水上レストランで、人生初のシャンパンを飲んだ。

貧民窟に案内され、一度入ると出てこれないと注意されながら遠くから眺めた。商店街では貧相な物売りが常にまとわりついた。船でマカオに渡り、カジノに興じたがもちろん負けた。それほどでもないポルトガル料理の昼食をとり、また船で戻った。

そして、そのすべてが先日終わったようだ。