禁酒「趣味は酒味です」「国の民度は酒をみろ」などとうそぶいていた。


 

禁酒をしている。

 

仕事のあとの楽しみとして、酒のない食事など考えもつかなかった。今日はビールのあとに日本酒か、ワインか、焼酎の水割りか、ホッピーもありだななどと考えている時が一番楽しい。日本酒は銘柄や産地や酒蔵を比較し、その奥深さに魅力を感じるほどになっていた。「趣味は酒味です」「国の民度は酒をみろ」などとうそぶいていた。

 

出張の帰り。新幹線に乗車すると、なにやらい息苦しくなってきた。だるさもあるが「ふっ」と意識が浮く感じもする。下車してから会社への帰り道はなんどか周りのベンチに腰掛けようかと迷った。会社へ着いてから椅子に座ると、息遣いが荒くなっている。「救急外来に行こうか、どうしようか」というと待っていてくれた女房が「そう思ったら行った方がいいんじゃない」と言ってくれた。

 

心電図とレントゲンをとり、翌日ふたたび検査するようにとのことで、その日は家で安静にしていた。翌日は血圧、採血、心電図、エコーなどの検査項目をこなし、診察を受けた。2週間後に再検査しましょうということになった。採血の結果として「肝臓が数値がわるいね。酒はひかえたほうがいいね」と引導を渡されてしまったのである。

 

困ったと考えるのが早いか、こんなところはすぐにどうでもいい知恵が即座に働いた。そうだ「ノンアルビールだ」。過去の減量で禁酒したとき、これはなかった。各メーカからさまざまなノンアルコール飲料がでている。味もそこそこで、値段はビールの半額である。そして、いまのところ禁酒には成功している。やはり日本人の民度はすばらしい。

 

ただし、再検査の結果はあまりかわらなかった。