獺祭のプレミアムははがれるか?

柏崎市のモーニングセミナーに、原酒造の杜氏さんが話すというので聞きに行ってきた。新潟県の酒蔵は人づくりをシステム的にすすめているとのことだった。清酒学校をつくり、都道府県立として全国で唯一の日本酒専門の試験場をつくったりしている。他県は蔵同士の付き合いはなく、新潟県のみ横のつながりが盛んだとも聞いた。

 

▼先日、町内の会合に出てきた酒が越乃寒梅であった。この酒は以前ブームを起こし、全国的に大変有名になった酒である。話をしている中で、自然と今話題となっている獺祭の話となった。社長が「獺祭を高く買わないで」とさかんにマスコミでアピールしているとのこと。越乃寒梅を例にあげるまでもなく、多くの酒がブームをつくり、やがて沈静化していった。はたして獺祭はどうなるのだろうというのが関心の的である。

 

▼私は獺祭を飲んだことがない。獺祭は一流の酒かといわれても、評判ほどいいのか悪いのかわからない。うまいのかまずいのか?想像するに、杜氏を廃し、すべて工業化して酒造りをしているというのだから、それなりの合理性にしたがって作っているだろうし、味も均一で整っているのだろう。

 

▼一流とはすべてが一流ということである。米は二流だが、酒は一流ということはありえない。米、水、造る人、道具、精神などひとつでも二流であれば、それはもう一流品ではない。そして、物語はあるか。すべてそろって一流である。それでなければ、獺祭プレミアムはいつかははがれるにちがいない。杜氏さんのいうようにポイントは「造る人」であると思う。