「水煮のさば缶」物価の優等生は卒業してしまった。
河内公園の桜が満開である。春のおだやかな陽射しのなか、町内会のクリーン作戦があった。小河川のどろ上げなどを分担して行う。渋海川(しぶみがわ)どてののり部分は消防団によって黒くあざやかに野焼きされていた。終了後は例年通り公民館で慰労会となり、つまみは決まって「水煮のさば缶」である。
▼東日本大震災から5年が過ぎた。当時会計を任されており、近くのスーパーにさば缶を買いに出かけたところが、陳列棚にはかんずめがまばらにしか置いてない。支援物資として缶詰が被災地に送られているのだということはすぐにわかったが、2~3件スーパーをあたったものの、予定の65個は揃えることができなかった。
▼仕方なくといおうか、やむを得ずといおうか不足分は「みそ煮のさば缶」を補充した。ところが慰労会になると所々で大ブーイングとなった。「水煮のさば缶」でないと納得しないらしい。缶詰位その日の内に簡単にそろうだろうと安易に考えていたのが間違いだった。
▼慰労会で定着した要素に100円以下の、その値段にあったと思う。安くて、おいしく、手軽に出せる「水煮のさば缶」も今は200円前後になってしまった。昨日だされた缶詰もこれが100円以下だったとはとても思えない味わいだ。クックパッドのレシピ数はなんと3,319品である。たまごと同様、物価の優等生は卒業してしまった。