3.11東日本大震災:私の体験など、かすりきず程度の遠い思い出話にすぎない。

 

「地震のときは何してました?」その日になると必ずと言っていいほどでる会話だ。10月23日(土)の中越地震で被災した人たちには、その時の体験を忘れるはずもない。忘れ難い記憶は、10年以上の月日がたったことが不思議なほど鮮明だ。いつどこで何をしていたかが、分刻み秒刻みで浮かんでくる。

 
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▼その12月に入り体調が思わしくない。ストレスの胸膜炎と診断され、即長岡赤十字病院に入院となった。ベッドの上でテレビを見ていると、スマトラ沖で地震が発生したと報じている。巨大地震には違いはないが、震源地は沿岸部からかなり離れた場所のようだと確認し、すこし安心し眠りについた。

 
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▼ひとり小さい幼児が海岸で遊んでいる。そこに津波が押し寄せ、あっというまに呑み込みさらっていった。どっきりでもなんでもない。翌日みた映像は衝撃そのものだった。家が流され、車が流され、人が流されていく。ありとあらゆるものが波の前には無抵抗だった。

 
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▼2011.3.11。デジャブな映像が目の前にあった。あまりにも過酷でつらい体験から「あの日は何をしてましたか?」などと言う会話は、被災者にとってとても成り立たつものでないのかもしれない。家族は無事で、家も半壊程度であった私の体験など、かすりきず程度の遠い思い出話にすぎない。

 

合掌

 

天井が落ちるか、床が抜けるか。覚悟はしたがまだ生きている。