お通夜で考える
いつもお世話になっている方のご主人が亡くなられ、昨日お通夜があった。列席者は60名ほどだろうか、顔見知りの方々も多く見受けられた。64歳である。同居しておられる両親は健在だ。 お経を上げていただいたお坊さんが言っていたが、平均寿命からするとまだまだ若い。切にご冥福をお祈りします。
▼ 芸能界での訃報も多かった年のように思う。印象深く残っている一人は野坂昭如である。ロッキード事件をきっかけに1983年の衆議院選挙に立候補している。新潟3区の中心地長岡で、夜は殿町界隈に出没しているとの噂をよく聞いた。おもちゃのチャチャチャが野坂の詩だとはじめて分かったとき、天才だと思った。
▼ 川島なお美も思いで深い。女子大生タレントのはしりで、『ミスDJリクエストパレード』の声はいまでもこびりついていて忘れられない。千倉真理とともにファンだった。ただ、その後の裸で勝負する女優活動はどうにも腑落ちず「わたしの血はワインでできている」に至っては、あきれ果て失望してしまった。
▼ 有名であろうが、無名であろうが、寿命は時が経てばからならず訪れる。どんなに偉大な小説家でもこの原体験は書けないし、ひとびとを魅了する有名女優でも稽古はできない。
1983年の選挙では落選した。当時応援していたという人は多いことと思う。新潟三区は田中角栄の牙城だったと思われがちだが、旧長岡市内は社会党などの革新の得票率がずいぶんと高かった。次点での落選だったが、選挙の準備期間をもう少し考慮して立候補すれば、当選の目はたしかにあったと思う。ご冥福をお祈りします。