根拠のない絶対的な自信が成功者をつくる
午後8時過ぎたころ仕事から帰宅し、なにげなくテレビをつけた。ちょうど錦織圭が全仏テニスで、2回戦の試合が始まったばかりだった。着替えを終わらせ、ビール片手に観戦した。みごと3-0のストレート勝利で、ビールの酔いと相まっていい気分だ。
▼長女は中学校で硬式テニスをしていた。幸い3年生の時に、団体で全国大会へ出場する機会を得た。後援会長をしていた関係で、選手7名保護者7名を同伴し遠く熊本会場まで応援に行ってきた。飛行機の乗り継ぎでの遠征は費用的な負担が大きく、寄付金集めでどうにか工面することができた。
▼熊本よりはるか向こう、錦織圭は中学で単身渡米したと聞く。才能ある若者とはいえ、中学生でアメリカにわたる度胸はたいしたものだと感心する。言葉も人種もまったく異なる本場に出向くのだから、どれだけの苦労と努力があったかは想像に難くない。また、それを受け入れる両親もたいしたもので、私の費用負担の苦労など比べようがない。
▼物事を成す三条件は「若者」「馬鹿者」「よそ者」なのだそうだ。中学生という若さで、アメリカへ渡るという無謀にも思える行動で、あえて見ず知らずの土地でチャレンジする。スポーツでもビジネスでも研究でも、絶対に成功するという確証などどこにもあるはずがない。「三条件」+「根拠は無いが、絶対できるという自信」の塊がテレビの中の今の彼だろう。