20世紀に忘れ物
外廻りから事務所に帰ってくると、講習の休憩時間に、寒空の下煙草を吸いに行く講習生とすれ違う。
今は昔。
私も20代半ばまで煙草を吸っていた。煙草を吸うと極度に疲労が増し、やる気はうせ、疲れ果て、車の中で寝てしまうこともしばしばだった。百害の中のひとつである。
時は過ぎ、煙草を吸うことが許されない場所が増えてきた。
当事務所も灰皿はない。全員吸わないから文句もでない。
当世420円の煙草を吸う方々は高額納税者でありながら、それこそ煙たがられ肩身の狭い思いをしている。同情はするが喫煙者受難の世である。ほとんど逆らう術は無い。
「社長は煙草を吸わないんですか?」
と時々聞かれるが
「20世紀に忘れてきました」
と答えることにしている。